人は違うから素晴らしい「いつもの朝に」
お寒い日が続きます。東京はカラカラに乾いて寒い毎日。
私もともとは寒いところの生まれなのですが、
氷点下でも生足ミニスカで自転車かっ飛ばしていた高校生の頃の自分とか
今思えば正気の沙汰とは思えません。もはや別惑星の生き物。
「私」という人間の中に潜むふり幅の大きさに戦慄する毎日です。あはは。
そんなわけでひたすら布団の中に棲息する生き物として生きてた
つかの間のお正月に読んでた本。
これ、何が素晴らしいって、出てくる人たちが皆素敵。好きにならずにいられない。
母、兄弟、幼なじみの女の子。キャラクターが魅力的。
まず弟の優太。優秀すぎる兄にコンプレックスを持ってる、ニキビのチビ。
最初のうち、彼の視点から話が進む。その間、だんだん彼が好きになる。
反面、兄貴の桐人はちょっとイヤな子かも?という感じも受ける。
やがて話の中のある展開から、この兄の桐人の視点も入ってくる。
そうすると、スーパーすぎていけ好かないって思ってた、彼のこともだんだん好きになる。
これってすごいことだと思う。ちゃんと向き合ってみたら、どっちも、うん、
悪いところもあって、良いところもあって、普通の少年じゃん。
共感できる、いい子たちじゃん。ていう気持ちになる。
それを文章と展開の筋立てで読み手に感じさせてくれる。
お母さんも、幼なじみの女の子もキャラが立ってて、いい。
話としては、罪を生むのは環境か遺伝かみたいな話で、結構凄惨な過去の話なんだけど
なんか読んでるとほのぼのする。ほのぼの…してはいかんのかもしれないけど。
個人的には最後の〆はあんまり好みじゃないけれど。
これは完全に好みの問題なので割愛。
この方の他の作品も読んでみようかなあ。
いつもの朝に (下) (いつもの朝に) (集英社文庫)いつもの朝に (上) (いつもの朝に) (集英社文庫)