10月 31 2013

「僕が星になる前に」を見たよ

脱・耽溺シリーズ。

いや、色々みてはいるんだけども、なんか羅列していったら

この映画の感想がやけに長かったので久々の単独タイトルですよー。



なぜかスーパードマイナーな映画を取り上げますが、(ドマイナー…だよね?)

ベネさんことカンバーバッジ君がね、主演だと聞いて。

ややネタバレ。




男4人で旅に出るぜ。一人は死にかけ(ベネさん)だけど!って言う映画。

しかし映画っていうか、なんでもそうだけど

こういうものはみる方のコンディションに左右されるからなあ。

面白いかどうかといわれると微妙ではあるんだと思うのだけど、

美しい映画ではあると思います。

イギリスの自然ってマジビジュアルとして最高だな。


とにかくまあ、ネタ(結末)としてはうん、そうだよね。って言う話で

私的にはこれ、ハッピーエンドちゃうの?とも思うので、

それはまあどうでも(どうでも?)いいんだけど、

なんかもう、男4人でえっちらおっちらの旅路の過程がすごくねえ…良かったのですよ。

私は腐ってはいないので、そういう意味で…ということでは全然ないんですけど

いい歳した男たち(=それなりに悩みとか色々ある)が互いをさらけ出す、

てか、一人が死にかけてるもんだから否応無しにさらけ出されちゃったりして、

なおかつ基本的に男子校ノリ的なバカさがやっぱりあってっていうのが

なんかこう、たまらんですよ。ロードムービーはやっぱり好き。


あの、結末っていうかメインのストーリーが

どうでもいいっていうのは語弊があるけれど。

人生には色々な苦しみやままならないことがあるけど、

『死』のそれって、あの、リミットがあるでしょ?これも考え方だと思うけど。

苦痛の単位というか、総量というか、大きさはさておいても、

終わり(リミット)が見えている苦痛と、

いつ終わるのかわからない、どうしたらいいのかさっぱりわからない苦痛とがあるとしたら、

これを見たときの私は後者の方により感じるものがあったんだと思うのね。

あと多分私は、もともと『人が死ぬこと』に対する感受性というか感応性が低いので。

もちろん、実際に自分の身の回りの人が死ぬことに対していっているんじゃないですよ。

物語の中の『死』に対する感応性ね。


で、当たり前なんだけど死にかけているベネさん以外の3人それぞれに、

そういう苦悩というか、苦痛みたいのがあって、ままならなくて、

でもかたや、なにしろベネさんは死にかけてるもんだから、

「僕は死にたくないのに、お前ら、糞みたいな人生送りやがって」

的なことを言ってしまったりもするわけ。

で、喧嘩になったり、逃げたり、暴れたりまあいろいろするんだけど、

そのあたりでいちいちなぜか泣く私。

人が泣くところで泣かず誰も泣いてなさそうなところで泣く私。

(そんなことないのかな、よくわからない。映画館暗いし。

でもとりあえず両隣のお嬢さんたちとは違うところで泣いてて、恥ずかしかった。)

その意味でも、主演は確かにベネさんなんだろうけど、

他の3人を演じた人たちが良かったよー。

特にマイルズね。死に対する忌避の感情とか薄暗く、色っぽい。


あと、死にかけてるもんだから終止ベネさんが姫ポジションである。

ペールグレーのお美しい瞳をフルに活かした安心の安定感ですが、

やっぱりベネさんの演じるキャラクターだと

シャーロックを超えるものにはなかなかお目にかかれないですね…。

次点はギラムさん@裏切りのサーカス。


あと地味に気になるのが、暑いのか寒いのか、冬なのか夏なのかが

さっぱりわからないっていうところですね!

めっちゃ厚着してる割には平然と泳いでるし。

イングランド、謎の大地である。




10月 17 2013

映画耽溺(4)

いつまでつづくの、映画耽溺シリーズ。

もはやデザインブログでもなんでもなく映画ブログである…。

いや、最初からデザインブログじゃねえですけど…。


デザインぽいこと一瞬いっておくと、オペラシティのICCでやっている

ライゾマティクス inspired by Perfume展は大変おもしろかったですよ。興味深い。


さて、じゃ、今回も面白かった順でいくよー。新旧ごちゃ混ぜ。


●トランス



ええと、まずちょっと確認したいんだけどさ、

マカヴォイさんは世間的には好青年カテゴリなの?

私の中の近年の好青年カテゴリはベネさんとトムヒがぶっちぎりすぎるのもあるけど

マカヴォイさんは私的にはずっと不穏な男カテゴリなので

違和感のなさすぎる配役だったんだけど…。

マカヴォイさんはちょっとアブない不安定な雰囲気があると思うのよね。

それゆえに好青年の役が意外に映えるし、

ベネさんやトムヒは基本ノーブルな好青年な雰囲気があるから、

それゆえにちょっと不安定な役が映えるんだと思うっていうのが私見。

というわけでですね、この映画では、

好青年とヤバい人の境界を行き来していたマカヴォイさんですが、

私的に違和感なさすぎて(役柄がマッチしてるともいえる)、結果、

安定のフェロモン王、ヴァンサン・カッセル先輩にがっつり持って行かれました。

フランス男め…!離婚しちゃったけどこの人とモニカ・ベルッチのカップルとか

直に見たら呼吸が止まりそうだもんな。溢れ出るフェロモンで。


お話もよく出来ていて面白いです。

思ったより記憶がどうのっていう話じゃなかったけど。

(私脳科学好きなので…話はどちらかというと心理学よりだった。)

ロザリオ・ドーソンも良かった。

最後まで真意がわからない感じを上手くこなしてました。





●リトルミスサンシャイン



何故か今頃これを見る私…。

いや、これはキャラクターおよび役者のみなさまの勝利。

たいへん心がほっこりします。

ほっこりしますけど、ちゃんとがっつり毒があって素敵。

まあ、あれだね、最後ドン引きしまくるミスコンのステージで踊りまくる一家がもう…

人生はままならないけど、自分は自分を信じてやってくしかないよね…

そんでまあ、味方がいたらもうそれで上出来なんでないの…

っていうのを全く言葉にせず表現したアレで清々しい気持ちになりますよ。


某試写で最近成長したオリーヴちゃんを見ましたが

小デブちゃんの面影なく美少女に成長してましたよ。

あ、あとお兄ちゃんが素敵。……私の好みのわかりやすさよ!





●エリジウム



冷静に考えると坊主じゃないマット・デイモンみたことないな…。とか

悪役のおっさん(シャルート・コプリー)訛りすぎてて何いってんのかわかんねぇぇ!とか

三つ編み系男子(写真左)かわいいぃぃぃ!とか

いろいろありますが、監督のブレなさはよくわかった。

話は賛否両論あるでしょうが、やたらめったら埃っぽい画面とか

安っぽーい感じの汚いガジェット類とか、残酷なシーンをロングショットとか

そういうブレなさ。あ、監督は『第9地区』の人です。

悪役のおっさんは、『第9地区』の主役のヤーな感じの役人の人です。

あれとくらべると、ものすごく戦闘力が上がっています。

あ、あと微妙な後味の悪さね。それもブレないね。嫌いじゃないけど。

私的には『第9地区』のほうが面白いと思いますが、

基本的にご自分のフェティッシュなこだわりが

わかりやすくブレないタイプの監督なので応援していますよ!





●クロニクル



予備知識無しでいったら、アレだ、みてないけど

ブレアウィッチプロジェクト方式っての?あのパターンのカメラだった。自撮り系。

前半の「本当に高校生ってバカだな!」の微笑ましい感(?)と

後半のあれよあれよ感の乖離すげえ。

アンドリュー君のメンタルの豆腐っぷりすげえ。

思ってた感じとだいぶ違う映画だったよ!

キャリーみたいな。暴走する青春系だった。

アンドリューくん演じてるデハーンくん(実年齢26歳!)が

若き頃のディカプリオぽくて人気があるようですが、

私的には好みでないので今のところスルーである。





●ブーリン家の姉妹



もうな!ほんとにな!女は子供生む機械じゃねえぞ!てめえ!このやろう!

っていう気持ちが波のように終止うちよせる映画。

とはいえ、それは今の時代だから思うことなので、

当時を思えばしょうがないんですけど。

あと、ヘンリー8世は政治的には全く愚王ではなかったと思いますが、

まあ、女関係に焦点当てられちゃったこの映画ではヒドい。

ぶっちゃけた感想としてはただの性欲に振り回されるバカである。

女捨てるの早過ぎだろ!とかね…いろいろ。


あ、素晴らしかったのはね、衣装ね。

素晴らしい衣装をスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマンが着るっていうので

女の人は結構楽しめそうな気はする。

どうしても画像がでてこなかったんだけど、

終盤の王にアン(ナタリー)の命乞いをするときの

メアリー(スカーレット)のドレスがすごくかわいい。襟元の刺繍!


あと見どころとしては、ベネさん出てます。

ほんとにこの人ちょこちょこいろんなところに出てんな!

それから二人の弟の役で、

『アップサイドダウン』の主役やってたジム・スタージェス出てます。

実際かわいそうな人生だったぽいジョージ・ブーリン。

なまじかわいいだけに、すごく可哀想だった。男なのに。