6月 30 2010

Lie to meと
「顔は口ほどに嘘をつく」

むしむしした日々が続きますね。

6月とか更新しなさすぎ!ちょっとね、マジメにお仕事してます。w


ここ何年か、民放のテレビと言えばスポーツくらいしか見ないという状態の私、

普段何見てるかっつーとあれですよ。スカパーですよ。

FOXとAXNを偏愛しています。


で、これ。最近FOXでやってますね。「Lie to me 嘘は真実を語る」

ちらほら見ています。主演がティム・ロスです。ザ・寄り目俳優。

タランティーノ君とかコーエンブラザースとかに愛されてます。

私も大好きです。変な顔大好き。

まあ、このドラマがどういう話かは公式を見てもらうとして、

ティム・ロスは表情(および身体表情)から嘘を見抜きまくる科学者を演じます。

あまり、性格がよろしい感じはしませんw。ティム・ロスだからか。

偏屈な科学者とか似合い過ぎですけどね!


このドラマ、元ネタがこちらです。

顔は口ほどに嘘をつく

著者ポール・エクマン氏がティム・ロスが演じる科学者のモデルになっています。

たぶんあんなにアクが強い人物ではないと思うけどw

娘さんがいるのも同じ。


この本は面白いですよ。ちょっと固めの本ですけど興味深い。

読んでその理論を実際に身につけて活用できるかは、

観察力や動体視力の問題もあるだろうしw難しいですけど、

(実際ドラマの方にも、特別その才能があると認められてる助手の方が出てきますから)

理論的にはこれで嘘は全て見抜ける

(というか隠そうとする感情の動きを読み取れる)ことに。

1秒以下で対象の表情にあらわれる、筋肉の緊張、弛みを判断の根拠として

感情の動きを読み取るのが基本的な技術です。

その技術と理論が全てこの本に書いてあります。

「目が笑ってない」と日本語ではよくいいますが、

これも非常に的を得た表現ということがわかったり。

この技術と理論を利用して、Lie to meではティム・ロスが嘘を見抜きまくる訳ですな。


不思議なことに人間はみな、表現が一緒なのですねー。

社会的なジェスチャーは文化で異なることもあるけど、

身体的な感情反応は誰でも一緒。非常にプリミティブな事柄のようです。


感情を察するのがうまい人っていうのが世の中にはいますが、

そういう人はこういう技術を無意識のうちに身につけているのかもしれないですね。




顔は口ほどに嘘をつく


6月 21 2010

またも若い犯罪者の物語
「空白の叫び」

ワールドカップがあるせいであまり最近本を読んでません。

が、まあ、基本何か読む本がないと死んじゃうタイプなので(やっかい)

ちょびちょびとは読んでいますが。

これまた予備知識なく手にとったら、

「告白」同様14歳の少年たちの犯罪の物語だったと言うこちら。

なんだよ、この連鎖。やな連鎖だなw




長いけど、面白い。「告白」よりだいぶ重く、凄惨なお話。

いやあ、神野くんがねえ、スゴイよ。

私なんか世の中に歪んだ偏見があるからw、

『普通の良い子コワイ。マジコワイ。』としたり顔に震えればいい展開で満足だけど

これは、すさまじく絶望感のあるキャラだね。

なんという存在の耐えられない軽さ!しかも本人無自覚!っていう凄さ。

彼の本質は最初から最後まで変わらない(と私は思った)のに、

それがどんどん悪い方向に行く。歯止めがない。

彼にとっての社会はずっと外にあって、自分がないから。

良いことも悪いことも、彼自身の存在には関係なく、外にある。

だから無自覚に、無反省にどんどん転がる。悩むことも、ない。

ひたすらに表層で生きる、その軽さに、凄みと重さがあるという怖いタイプ。


それに比べたら葛城くんと久遠くんの鬱屈のわかりやすさよ。

葛城くんとか相当好みなんですけれども。頭がいいのはやっぱり最強よね。

あ、でも一番好みなのは水嶋くんですよ。ミスター女衒。

・・ほんと私の好みは一貫してるな。我ながら感動する。


少年犯罪と、その更正と、その贖罪についてのテーマだろうから、

犯罪者に対して好みがどうのっていう話をするのも、

人によっては不謹慎なんだろうけど、

私にとって物語を読むっていうのはそういうものだから、仕方ない。

それは「だって所詮フィクション(での犯罪者)じゃん?」ていう

冷めた気持ちとは実は真反対にあるのだが。

ま、そんなことはいいや。


あとあれだ、柏木女史がもう、鳥肌たつくらい個人的には

嫌いな(怖い)タイプだったので出てくるともう、嫌でしょうがなかった。

久遠くんみたいなタイプならそりゃ殺すよね!って

思ってしまった自分も、いかがなものか。とは思うけど。




6月 11 2010

犯罪者の家族という悲劇:
「楽園」と「告白」

おひさしぶりでございます。

ここ何日か年に幾度もない、お仕事週間でございました。

書こう書こうと思ってたブックレビューも、

もう内容をうっすら忘れかかってるよ!ヤバイ!

思い出しながら書いてみるテスト。


たまたま連続で読んだ、この2冊





宮部みゆき氏は何を読んでも面白い。驚きの安定感。

「楽園」は「模倣犯」の続編?というかシリーズぽいんだけど

お話は全然別なので、単独でも大丈夫。

で「告白」の方は本屋大賞→映画化と言う流れでしょうか。

松たか子さんはこの主人公はあってるかもしれない。

中島監督が好みそうなwなかなかファンキーなラスト。映画も見たいな。


あと、これ、どっちも家族から犯罪者が出ると言う悲劇が書かれてるなあと。

あ、もちろん、一面でだけど。それが主題ではないよ。特に「告白」の方は。

どちらも娘、あるいは息子が殺人を犯す。

親は、子供を殺す。あるいは殺そうと、する。

その心の流れは微妙に違うのだけれど、なんだか考えてしまうよね。


人を殺すことがどうしていけないの?っていうことを考えたときに、

死んだ人は戻らないからっていうのはもちろんあるけれど、

もっと大きいのは死んだ人、殺した人という当事者同士以外の周りの人々が

ものすごいダメージをうけるからだと思うのね。

人は必ず誰かと繋がっているから、死んだのが一人でも、

その一人は総数にしたらすごくたくさんの周りの人間との感情を抱えていて、

消えたら、それが全て理不尽に揺さぶられるから。

おきた犯罪それ自体とは、関係ない人間の人生が、どんどん狂う。

それは被害者側の関係者だけじゃなく加害者側の関係者も同じ。

だから殺人て一番罪が重いとされているんだなあってよくわかる。

なんで戦争時に殺人が罪にならないのかも、わかる。ような気がする。


どちらも、「殺されたもの」と「殺したもの」の物語でなく、その関係者の物語ですね。

「告白」は「殺したもの」の物語でもあるけど。

どちらも面白かったけど、「告白」はたしかにインパクトのある作品。

結果、徹底的に救いのない感じが、個人的にはわりと好みですw