犯罪者の家族という悲劇:
「楽園」と「告白」
おひさしぶりでございます。
ここ何日か年に幾度もない、お仕事週間でございました。
書こう書こうと思ってたブックレビューも、
もう内容をうっすら忘れかかってるよ!ヤバイ!
思い出しながら書いてみるテスト。
たまたま連続で読んだ、この2冊
宮部みゆき氏は何を読んでも面白い。驚きの安定感。
「楽園」は「模倣犯」の続編?というかシリーズぽいんだけど
お話は全然別なので、単独でも大丈夫。
で「告白」の方は本屋大賞→映画化と言う流れでしょうか。
松たか子さんはこの主人公はあってるかもしれない。
中島監督が好みそうなwなかなかファンキーなラスト。映画も見たいな。
あと、これ、どっちも家族から犯罪者が出ると言う悲劇が書かれてるなあと。
あ、もちろん、一面でだけど。それが主題ではないよ。特に「告白」の方は。
どちらも娘、あるいは息子が殺人を犯す。
親は、子供を殺す。あるいは殺そうと、する。
その心の流れは微妙に違うのだけれど、なんだか考えてしまうよね。
人を殺すことがどうしていけないの?っていうことを考えたときに、
死んだ人は戻らないからっていうのはもちろんあるけれど、
もっと大きいのは死んだ人、殺した人という当事者同士以外の周りの人々が
ものすごいダメージをうけるからだと思うのね。
人は必ず誰かと繋がっているから、死んだのが一人でも、
その一人は総数にしたらすごくたくさんの周りの人間との感情を抱えていて、
消えたら、それが全て理不尽に揺さぶられるから。
おきた犯罪それ自体とは、関係ない人間の人生が、どんどん狂う。
それは被害者側の関係者だけじゃなく加害者側の関係者も同じ。
だから殺人て一番罪が重いとされているんだなあってよくわかる。
なんで戦争時に殺人が罪にならないのかも、わかる。ような気がする。
どちらも、「殺されたもの」と「殺したもの」の物語でなく、その関係者の物語ですね。
「告白」は「殺したもの」の物語でもあるけど。
どちらも面白かったけど、「告白」はたしかにインパクトのある作品。
結果、徹底的に救いのない感じが、個人的にはわりと好みですw