10月 26 2010

普遍的な人間のカタチ「悪人」

やべえ、ちょっとお仕事落ち着きましたー(はーと)なんて

言ってたのにもう一月たってる!

何の記事もあげないまま10月が終わってまう!

まあ、落ち着いたと思ったのは一瞬の幻だったんですけど…。

いえ、ありがたい事ですけれど。


そんな合間を縫って今月読んだのはこれ。

悪人文庫

こーんなに地味な装幀(左)が妻夫木くんのせいでこんなこと(右)になってたんで

思わず購入しちゃったんだぜ。


映画化されたのねーと思って、原作を読む場合って映画を見てなくとも

どうしてもキャストが絵になってしまうのだけれど、まあ、これもしかり。

妻夫木君かあ、と思って読みはじめた最初のうちはなんか違うかね?とも思ったけど

(私の中で妻夫木君はやっぱり清潔でまっすぐな都会的な男の子のイメージだからだろうか)

顔はいいけどマジメで話が面白くなくて女性の扱いはうまくないけど床はうまい肉体労働者とか、

だんだん、これ、妻夫木君でもいいかも!と興奮して来たという…。

最初は正直あれだ、山田君のイメージだった。山田 孝之君。なんでだ。白夜行のせいか。


というわけで、まっさらな状態で読んだ訳ではないので感想にしづらいけれど、

これ、読み終わったあとに、「ん、こういうの、どっかで読んだ。」って思ったのよね。

思ったきり、それが何だったかさっぱり思い出せないんだけれど、

ストーリーがというより、全体の雰囲気がすごくどこかで読んだ何かに似ている。

罪を犯した男と、女の逃避行と言う要素の強くなる後半は特に。

なんだろう。すごい気になるけど思い出せないままなのですよ。


誰が本当の悪人か。みたいな帯がかかっているけれど、まあそのとおり、皆が悪人。

特に私の大嫌いなタイプの悪人が増尾だけど、まあ、殺人者の妻夫木君(主人公)も、

被害者の軽さも、ばあちゃんの無知も、一緒に逃げる女の直情も、

被害者のお父さんの鬱屈も、それが「悪」かどうかはともかく「ネガティブ」ではある。

でも同時に、みんな「善」でもある。「善」ももってる。

言ってみれば当たり前の、普遍的な人間のカタチ。

そういう物語でした。


寂しさと愛のお話と言う見方はあるかもしれないけど、私はあまりそちら方面は心うたれず。

だって、寂しさに道を誤るのも、愛におぼれて道を誤るのも、

あまりに当たり前と言えば当たり前なテーマだからね。

あ、でも、この主人公を妻夫木君がやるのならちょっと映画見たいとは思った。

うまくできてたらすごく、興奮できる(その表現はどうかw)気がするのだけど!