AV黄金列伝 < AV女優
暑いよぅ。そんな暑い中暑苦しい(?)タイトルですが、本ですよ!本。
物心ついた頃から私は、人間の身体の身体性と付随する精神性の関係が好きだった。
なーんて言い方すればいかにも賢げだけど、
要するに、身体性with精神性の真骨頂=性をとりまくあれこれが魅力的なのですよ。
(ぶっちゃけた)
社会的な役割と、動物的な役割と、心に及ぼす影響と、発露の仕方。
どれをとっても人間のなにか根本的な業みたいなものを感じるから。
そういうエロいものって時にどぎつくて、下品で、汚いけれど、
自分にも備わっているものだから目を背けてもいられないしね。
まあそういう趣味(趣味?)もあって、性を売り物にするっていう
太古の昔からある一つのやり方にも並々ならぬ興味があるわけですよ。
で、一応エロ本>ビニ本>アダルトビデオのエロ系パッケージの盛衰と
思春期とかががっつりかぶっちゃってる年代だからさ。
女といえど、アダルトビデオの2本3本はみている世代な訳ですよ。
…ごめん、嘘!、世代でくくるのは無理があった!
むろんそんなの興味ない子も多いと思うけど!
そんな私的背景があってのこの2冊。共に、いわゆるAV業界の人々のインタビュー集、2冊です。
あとちなみに古今東西、娼婦ってものにも興味がありますし
おかしな性癖の人とかにも興味があります!(いらないカミングアウトw)
まあこんなこと書いちゃって変なコメントとか来たら泣くけどね!
さて、読み物としての、好みは完全に「AV女優」のほうに軍配。
文体とかも、なんだろ「AV黄金列伝」のほうが妙にエモーショナルで、
いえ、馬鹿にするんじゃないけど、もうちょっと汚いところ書かないとって思っちゃう。
一番私の知りたいところ(言語化するの難しい)が全然かいていなかったんだよね…。
なんていうか、凄み?がもっと伝えられればいいのになっていうか。
「AV女優」のほうが凄みがある。生きている、凄み。生きていくことの、凄み。
著者の方が冴えないおじさんみたいで(失礼なw)基本的に女の子達を
わかりたい、伝えたいと思いつつも、結局わかることなんて出来ない
だけどそれは、そのことも含めて人間なんだよってそういう感じが漂ってくるのが良かったかな。
女の子一人一人のインタビューが、いろいろな色の人生で、
その味は甘かったり苦かったりするけれど、
そういう短い物語をいくつも読んでいるようなかんじ。
AV女優って聞いたら皆が思いがちな凄惨な過去の話もあるけれど、女の子達は皆逞しい。
べつに何の教訓もなく、だけど生きてくことそのものには
そんなこと、全く不必要だよねと軽やかに思わせる女の子達の姿。
もちろん、インタビューをもとに再構成されているわけだから、
より物語的に見える部分もあるけれど、それもまた見事だなあと思う。
だけどこういう題材の本は、やはり読者(=私)が女であるっていうのは
どうしても受け止める部分を左右するからレビューが難しいよね。
男の人が読むとまた、全然違う印象を持つのかもしれないし。
AV女優 (文春文庫)AV女優 (2) (文春文庫)AV黄金列伝 (文庫ぎんが堂)