映画耽溺(19)「プリデスティネーション」と「パレードへようこそ」

4月1日ですが、今年度も特に変化もなく迎えておりますがなにか?

ようやっとちょっとヒマになったので、

溜まりに溜まった1〜3月の映画振り返りやります!

本数多いんで2回に分けます。さくさく行きたいけど

まずは長くなりそうなぶっちぎりで面白かった2本だ!


●プリデスティネーション



あまりにも宣伝の弾幕が薄すぎて、ノーマークだったんだけど

Twitterのタイムラインで妙に評判良かったんで行ってみた。

SFで、元ネタがハインラインの「輪廻の蛇」ってことは分かっていたんだけど、

原作全然覚えてなかったのね。読んだの小学生のときですし…。

そもそもハインラインよりディック先生の方が好きですし。おすし。


でもこれすごい、面白かったよ!すごい、面白かったよ!(2回言った)

いえ、多分SF的には突っ込むところもあるんだろうし、

映画的にも突っ込むところはあるんだろうと思うんだ。

でもな、それらすべてをチャラにする、サラ・スヌークちゃん!

そして何を言ってもネタバレになりそうで何も言えない展開!

イーサン・ホークの安定感。

この人はイケメン(イケオジ)なんだと思うんですけど、存在に奇妙な不安定さがありませんか?

ラストの台詞とかなんつーか切ないし、妙な迫力あるし、鳥肌立ったわ。


もうね、なに言ってもネタバレそうでビクビクするけど、

どうしようもなく孤独で、切ないの。

冷静に考えると、え?どういうこと?遺伝子的にはどうなってんの?

(これネタバレギリギリー!)とか混乱するような題材なんだけど、

うまいこと切なく、苦しい物語に映像化されてると思う。

怖いほど孤独。怖いほど切なく、心もとなく、寂しい。

(これもネタバレギリギリー!)


あと、単純にこの監督の美術の感性がわりと好きだし、

(画像のような、訓練風景の衣装とかかわいいし、全体的に様子がいい)

まあ、主演のサラ・スヌークちゃんの魅力よ。見て損なし。




で、ですね、どうもオーストラリアの方っぽいんですが、この監督好きかも?とおもって

未見の「デイブレイカー」も見てみました。

ちなみに監督さんは、ピーター&マイケル・ スピエリッグ兄弟。

Wikipedia先生によると一卵性双生児だそうです。なにそれ、なんかすげえ納得…。


●デイブレイカー



あれ、こちらもイーサン・ホーク先輩主演です。

映画から離れてた2009年作なので、全然知らなかったんですが

吸血鬼ものじゃないですかー!

んーで、ウィレム・デフォーさんが萌えキャラです。頭おかしいけど。

んーで、サム・ニールさんが悪役です。景気良く散る。


こちらも冷静に考えると嘘ー!っていうような設定もりもりなんですけど、

上手くできてると思うー。吸血鬼同士で血吸うとやべえとか。

人間に戻る怪物ってーと「ウォームボディーズ」思い出しますが、

こっちの戻り方はあちらとえらく違って物騒です。

その辺も絡んでなんかえらく景気良く血が飛び散る正しい吸血鬼映画になってます。

ちょいちょい弟くんまわりとか娘まわりとかしんみりした心情があると思いきや、

絵の勢いと(なんかを多分やりすぎてるのか)妙なおかしさで

せっかくの(?)しんみりがぶっ飛ぶという妙な勢いがあります。

でもやっぱり衣装・セットまわりの美術好きです。

(画像は吸血鬼の皆さんの通勤風景。後ろの看板はCapture Humanですよ。素敵。)

この監督兄弟とは仲良くやれそうなので、今後もチェックします。




で、もう一本は全然毛色の違うやつ。ゲイ&レズビアン映画ですが。

4/4から公開です。オススメ。

パレードへようこそ



実話がもと…かな。実話がもとで、イギリスの労働者階級映画、サッチャー政権とくりゃ

なんでか知らんが外れがないんですけど、これも良かったー。

保守とかリベラルとか、頭の柔らかさとか、人間性とか、そういうものって

階級も環境も関係ないものなんだよね、本当に。

どのワールドにも、色んな人がいるの。言葉にすると薄いー!けど。

田舎の炭坑町の炭坑夫とその家族に都会のレズビアン&ゲイの若者が接するって、

ハイハイどうせ、反発しあうんでしょ?っていう予想をいい意味で裏切ってくる。

(もちろん、裏切ってこないところもある)

それがね、ちゃんと納得できる。

どのワールドにも、色んな人がいるのが、真実だから。

どこにでも酷い人はいるけど、ちゃんと素晴らしい人だっている。

そういうところが素晴らしいし、世界に希望を持てる唯一のことだと

私は常々思っているので、いいなあって思いました。人間は愛らしい。

良い映画だと思いますし、あと普通に面白いです。

あっちでもこっちでも、キャラたってるとことか。


英国俳優クラスタ的にはキャストも豪華ですよ!

最愛のビル・ナイおじさんは今回は、口べた(詩の朗読はすらすら行ける)で、

物静かな書記です。今回も大変に最高です(欲目加算済)。

特にこちらも名女優イメルダさんと、二人でサンドイッチつくるとことか

最高すぎる。ああいう関係性、大好物です。泣ける。

イメルダさんといえば、ハリポタのこの人↓のイメージ強すぎてですね。



どうせあれだろ、嫌なおばはんなんだろと反射的に思うわけですが、裏切られましたね。

おばはんの押し出しの強さはそのままに、しかし愛らしい。

あと若者側も素敵な役者さん勢揃いです。


結局事実としては炭坑側は破れたわけなんだけど、でも爽やかな後味の映画。


4半期ではこの2本がとっても印象に残りました。

残りは近日中にまとめて!


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