4月 5 2010

ロリータ

画像を探そうと思ってぐぐる先生で「ロリータ」で検索すると

やっぱりなんだかすごいことになっていてニヤニヤ。


ロリはもう性的にもファッション的にもひとつのカテゴリとして確立しているけど、

元はと言えばこの小説なのよね。

気にはなっていたものの何故かこのタイミングで読むことになりました。

評価の高い若島さんの新訳。訳は大事だよ・・ほんと。

ロリータ

始めのロリータに対する欲望に悶々としている部分、

母親が死んでロリータとアメリカ中を放浪する部分、

ある街に定住する部分から再びの旅と別れ〜再会の部分で

印象が微妙に異なる面白い本でした。

いや、なんつうかね、もう、必死すぎて意外に笑えるし・・。


最初の悶々部分とかもうね、おっさん必死すぎる。

性欲が漲りすぎててもう、哀れ。

まあ、ずっと必死と言えば必死なんだけどさ・・。

旅をしている部分はなんだか映画的。

アメリカのロードムービーの侘しい感じとか浮かぶような。

で最後はミステリーっぽくなって終わる。


私は一応生物学上は女なので、あえて言うけど、

女の子は大人が思うより性的なものに敏感だよね。

その時は分からなくてものちのち、あああれはそういうことかと

自分に向けられる性的な欲望って記憶するものだと思う。

そうやって自分が性的な対象であることを自覚する部分がある。


この小説の女の子は12〜13歳。微妙な時期。

でも自分が性的な対象なのはもう十分自覚している頃。

大人でも子供でもない生き物の持つ特殊な美って言うのは、個人的には理解できる。

行為としてのロリというか幼児性愛は嫌悪するけれど、性癖として歴然とあり、

またそれ故に苦しむ人がいるのも、分かる。

この主人公も、苦しんではいる。ていうかもう、性癖に苦しむだけの人生。

性癖はホントこまりものだよね。理性でコントロールできないからね。


私は私的にはおかしな性癖というものにも人間の不思議があらわれていると思って

おもしろがるようなところがあるし、道徳的にも厳格な人間じゃないから

哀れなり。とか思いながらおもしろがっちゃうけれど、

この本がなんで評価されているのかさっぱり分からない人は多いんじゃないかな。


しかし、調べてみたら、キューブリックとエイドリアン・ラインが映画化しとる・・。

そうだよねえ、映画的な本だから。

映画化してるのがキューブリックとエイドリアン・ライン・・。面白いな。