クラウスとリュカ〜悪童日記3部作

寒さのあまりこの期に及んで電気ストーブをマイデスクの後ろに出しました。

来週にはしまう予感!


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乾いた絶望を書いたら随一だと思います。アゴタ・クリストフ。

高校生(むかしすぎる!)のころに最初の悪童日記は読んだのね。

すごい面白いと思ってずっと覚えてたんだけど、

実は残りの2つは読んでなかったので、再読&新読。


やはり悪童日記はおもしろい。今回3作読んで、その結果、

いわば悪童日記は作中作であるという二重構造が判明したけど、

悪童日記だけで、満足して終わらせておくのは全然ありと思った。

悪童日記は子供の頃の話だから、余計なんだろう、シンプルなのかな。

残酷さや、逞しさや、哀しさや、おかしさも、シンプルで響く。

好みすぎる。こういうのが好みって、声を大にするのもなんかアレだけどさ・・。


で、あとの2作読んで始めて双子の名前を知る。

ああ・・・・Mother(ゲームね)のクラウスとリュカは

ここからきてたのか。やるね。糸井さん。。(知るの遅すぎ)

あれもなんかこう、哀しくて切ないゲームだった。

ここから名前がきてたのは、なんかすごく納得。


なにがすごいって、ノートに書かれた悪童日記&二人の証拠のリュカの物語も、

第3の嘘のクラウスとリュカの物語も、その他のどの人物の物語も、

どっちも笑っちゃう程絶望的ってこと。

いっそ清々しいっちゅうねん!

後味が悪いっていう人はいると思うけど、

個人的には後味の悪い話は大好きです!

ていうか、これ、粘着性を感じない(感じなさすぎる)ので、

私的には全然後味悪くないけど。


訳者の方のあとがきに、「こういう物語が日本人にうけいれられるとは

あまり思えなかった」というような主旨の言葉があったけど、

人種や文化・社会背景を超えた部分で、こういうものを受け入れる

(受け入れる・・じゃないな、こういう絶望の存在を察知する?)素地は

人間誰でもあるんじゃないかなとぼんやりと思ったりする。


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