真実なんて見方で変わる
「モダンタイムス」

ワールドカップが終わりましたね。

相方につきあってなんだかんだ結構見てたので、

なんつーか、気が抜けたような感じ。寂しい。

同じように努力して、勝ちたいと思っても、

試合が終われば勝者と敗者にくっきりわかれる。

なんて残酷で、なんて美しいことか。次は4年後を楽しみに。


今日のレビューはこちらです。

モダンタイムス

伊坂幸太郎+花沢健吾(挿絵)。

伊坂さんの小説は出てくる人が少しづつ、おかしい。

私は彼の小説の中では、「グラスホッパー」に出てくる蝉が凄く好きなんだがw

これも例に漏れずおかしな人ばかりが出てくる。


まあそれぞれがそれなりに魅力的なのはいつも通りなんだけど、

この小説、「真実なんてものはいくらでも変えられる」っていうのが

ひとつのテーマだろうなと思う。

で、私はそういうテーマに深く共感するタイプなので、w

佳代子さんとかすごい好きですよ。嫁だと怖いけどw


世界は不定形で真実なんて人の数だけあるのだとしたら、

その中から腹を据えて、自分の真実を選んで生きていくしかない。

この「腹を据えて」ってのが実は凄く大事だなあと最近思ってて、

偉そうなことを言えば、だいたい皆覚悟が足りないんだと思うのだ。

自分の真実を生きる覚悟。それは他人にとっては真実じゃないという覚悟。


それからもうひとつ、「仕事だから」ということで思考が停止すること。

「そういうものだから」ということで思考が停止すること。

コマとして、歯車として、システムに組み込まれることで思考を停止させること。

そのことも大きなテーマになってる。

だけど、これもまた、佳代子さんは言うのだ。

「悪い仕事をするのはいいけれど、覚悟を持ってするものだ。」

そういって指を切り取ったり、詳しく分かんないけど色々と血飛沫が飛ぶようなことをする。

ステキ(え)。


「覚悟」っていうのは最近の私の色々と思考のテーマなのでw

そういう意味で面白い本でしたよ。


で、映画はこちら。

ワールドトレードセンター

WOWWOWの無料放送でやってたので。

予告っていうかでは颯爽とニコラス・ケイジおじさんがレスキューっぽく

テロが起きた時のWTCに入っていくので、

ほほうスーパー救助とかして活躍するのだね!と思ってたら、

映画のほとんどは瓦礫に埋もれて動けず、救助を待つおじさんの絵だったという。

相変わらず予備知識なしで映画を見ると、思わぬ展開でびっくりするわ。


崩壊したWTCビルから救助されたのは結局9人しかいなかったとかで、

そのうちの7人目と8人目の湾岸警察?の職員の方の実話でした。

…うむ。ならば仕方ない。

UNITED93もそうだけど、本当にあったことって、映画にすると地味よね。

や、不謹慎な発言と思われたらアレだけど、本当にあったことって

結構淡々としているよなあと、いつもドキュメンタリー系の映画を見ると思う。

本当のどえらいことって、もちろん映画的な脚色もなくて、

淡々と進行するものだっていうのが、本当のところなんだね。きっと。





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1件のコメント ー “真実なんて見方で変わる
「モダンタイムス」”

  • 映画な日々。読書な日々。 の投稿:

    伊坂幸太郎 『モダンタイムス』

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