11月 12 2013

映画耽溺(5)

バック・トゥ・耽溺シリーズ。

日々、寒くて眠くて仕方がないんですが、何なの、死ぬの?

週末ごとに、起きる→食べる→映画見る→寝る→起きる(以下ループ…)

みたいな何の生産性もない休日を繰り返していますが私は元気です。


今回は全般的に頭のおかしな感じの映画のラインナップだよー。

んーと、、主にDVDです。

面白かった順…といえど今回はちょっと比べにくい映画ばっかなので、

順番は気休め程度ね。


●天国の口、終りの楽園



↑ディエゴ・ルナたん!ディエゴ・ルナたん!

エリジウムの三つ編み系男子の人だよ!

おおむねガエル・ガルシア・ベルナルくんとセットで認識されるけど、

わたしはディエゴくん派だよ!かわいいよ!子犬系男子。


いきなりディエゴくんのエロいシーンから始まってびっくらこいたわけだが、

まあ、あれですよ、もう、全般的に男子2人がね、性欲を持て余しすぎですよw

男の子2人+年上の人妻っていう3人のロードムービーですが、

もうちょっとあれだな…人妻が美人だといいんだけどな…。

いや、独特の雰囲気はあるんですけども。

あとぜーんぜん違うけど、ちょっと話が僕星とかぶってるよ。


ロードムービー好きとしては「ああ正しいロードムービーだなあ。」と楽しく見たけど、

(出かけて、何かを失って、何かを得て、帰ってくるという意味で)

この映画の感想で『終止気持ちが悪い』という感想を書いている方を見かけて、

ほほう〜と思ったのも印象深い映画。わからなくは、ない。

生々しいんだよね。メキシコらしいというか、生と性と死の境界の近さ。




●処刑人/処刑人Ⅱ



兄弟萌えの人が馬鹿かわいい兄弟を愛でるには最高のバカ映画。

冷静に考えるとあれだ、「月に代わってお仕置きよ!」的正義の危うい話を

完全に確信犯でまとめあげてる。という意味では天才的。

まあ、これは人気が出るよねっていうノリとキャスティング。

初めてまともにノーマン・リーダスを見たけど、兄ちゃん共々、ありゃカワイイな!

いちいち服がお揃いとか、対の刺青とか、喧嘩オチとかもう、間違いのない狙いっぷり。

公式で天使扱いだけど、あってるわ、あれ、天使だわ。納得。

あと、ウィレム・デフォーの女装ね…。誰得…。いやおもろいけど。

あれだけでも女装好きとしては見る価値あるけど…。




●シチリアの裏通り



東京国際映画祭にて鑑賞〜。

映画祭はいいよね、独特で。お祭りだし。

シチリアLoverとしては気になるところと思って見に行ったけど、

ミニシアター系のこじんまりとした良品映画でした。

女の映画。そしてほとんど喋らない(ていうか最後の最後くらいしか台詞ないんじゃ?)

ばあさん(写真右)の人生の凄み。

いかにもシチリア、いかにもイタリアで生きる女。が見られる映画。

映画祭なのでQ&Aで、ばあさんの方の役の女優さんも拝見しましたが

実物は全然キュートでお美しかった。役者はすごい。


●ローズインタイドランド



↑このビジュアルかわいいね。

しかし内容は、『どうしようこれ、頭のおかしい人しか出てこない…』

っていう映画でーす!そしてひたすらに逞しいローズ。(主人公の女の子)

でもね、わかるよ。少女っていうのは逞しいものよね。

むしろこの映画で筆頭に頭がおかしいのがローズであって、

だけどその頭のおかしな逞しさ(&無自覚な色気)こそが少女だというのは、

元少女(ごめん図々しい…)としてはすごく良くわかる。

だからぜーんぜん悲劇的じゃなく、ひたすらに

シュールでサイケな世界が繰り広げられてて、面白い。


「パンズラビリンス」とどうしても比べちゃうけど

ローズの逞しさとオフェリアの逞しさの根っこは同じに思える。

ただずっと、あっちのほうが悲劇的なんだけどね。

周りの大人も向こうの方が悲劇的。

そういう意味でやっぱり「パンズラビリンス」の方が好きなんですけれども。




●コララインとボタンの魔女



これ、評判がいいんだよね。

私が割と信頼しているレビュアーの方たちに評価が高くて、うん。

…ごめん、私そんなんでもなかった。

こういうアニメ系のは好みもどうしてもあるからなあ。

ちょっと毒気があるっていうのはすごくすごく好きなんだけど、

ごめん、ちょっとこれはそんなに好きじゃなかった。なんでかなあ。

なんかちょっと全体にかわいさが足りないのか…私には。

ところどころ好きな造形はあるんだけども。魔女の手とか、人形とか。

オープニングの魔女が人形つくるところとかすごくいいと思ったんだけどな…。

あ、でもこれは完全に好き嫌いの話なので、好きな人はすごく好きだと思います。

↓に貼った人形とかかわいいんだけども!



10月 31 2013

「僕が星になる前に」を見たよ

脱・耽溺シリーズ。

いや、色々みてはいるんだけども、なんか羅列していったら

この映画の感想がやけに長かったので久々の単独タイトルですよー。



なぜかスーパードマイナーな映画を取り上げますが、(ドマイナー…だよね?)

ベネさんことカンバーバッジ君がね、主演だと聞いて。

ややネタバレ。




男4人で旅に出るぜ。一人は死にかけ(ベネさん)だけど!って言う映画。

しかし映画っていうか、なんでもそうだけど

こういうものはみる方のコンディションに左右されるからなあ。

面白いかどうかといわれると微妙ではあるんだと思うのだけど、

美しい映画ではあると思います。

イギリスの自然ってマジビジュアルとして最高だな。


とにかくまあ、ネタ(結末)としてはうん、そうだよね。って言う話で

私的にはこれ、ハッピーエンドちゃうの?とも思うので、

それはまあどうでも(どうでも?)いいんだけど、

なんかもう、男4人でえっちらおっちらの旅路の過程がすごくねえ…良かったのですよ。

私は腐ってはいないので、そういう意味で…ということでは全然ないんですけど

いい歳した男たち(=それなりに悩みとか色々ある)が互いをさらけ出す、

てか、一人が死にかけてるもんだから否応無しにさらけ出されちゃったりして、

なおかつ基本的に男子校ノリ的なバカさがやっぱりあってっていうのが

なんかこう、たまらんですよ。ロードムービーはやっぱり好き。


あの、結末っていうかメインのストーリーが

どうでもいいっていうのは語弊があるけれど。

人生には色々な苦しみやままならないことがあるけど、

『死』のそれって、あの、リミットがあるでしょ?これも考え方だと思うけど。

苦痛の単位というか、総量というか、大きさはさておいても、

終わり(リミット)が見えている苦痛と、

いつ終わるのかわからない、どうしたらいいのかさっぱりわからない苦痛とがあるとしたら、

これを見たときの私は後者の方により感じるものがあったんだと思うのね。

あと多分私は、もともと『人が死ぬこと』に対する感受性というか感応性が低いので。

もちろん、実際に自分の身の回りの人が死ぬことに対していっているんじゃないですよ。

物語の中の『死』に対する感応性ね。


で、当たり前なんだけど死にかけているベネさん以外の3人それぞれに、

そういう苦悩というか、苦痛みたいのがあって、ままならなくて、

でもかたや、なにしろベネさんは死にかけてるもんだから、

「僕は死にたくないのに、お前ら、糞みたいな人生送りやがって」

的なことを言ってしまったりもするわけ。

で、喧嘩になったり、逃げたり、暴れたりまあいろいろするんだけど、

そのあたりでいちいちなぜか泣く私。

人が泣くところで泣かず誰も泣いてなさそうなところで泣く私。

(そんなことないのかな、よくわからない。映画館暗いし。

でもとりあえず両隣のお嬢さんたちとは違うところで泣いてて、恥ずかしかった。)

その意味でも、主演は確かにベネさんなんだろうけど、

他の3人を演じた人たちが良かったよー。

特にマイルズね。死に対する忌避の感情とか薄暗く、色っぽい。


あと、死にかけてるもんだから終止ベネさんが姫ポジションである。

ペールグレーのお美しい瞳をフルに活かした安心の安定感ですが、

やっぱりベネさんの演じるキャラクターだと

シャーロックを超えるものにはなかなかお目にかかれないですね…。

次点はギラムさん@裏切りのサーカス。


あと地味に気になるのが、暑いのか寒いのか、冬なのか夏なのかが

さっぱりわからないっていうところですね!

めっちゃ厚着してる割には平然と泳いでるし。

イングランド、謎の大地である。




10月 17 2013

映画耽溺(4)

いつまでつづくの、映画耽溺シリーズ。

もはやデザインブログでもなんでもなく映画ブログである…。

いや、最初からデザインブログじゃねえですけど…。


デザインぽいこと一瞬いっておくと、オペラシティのICCでやっている

ライゾマティクス inspired by Perfume展は大変おもしろかったですよ。興味深い。


さて、じゃ、今回も面白かった順でいくよー。新旧ごちゃ混ぜ。


●トランス



ええと、まずちょっと確認したいんだけどさ、

マカヴォイさんは世間的には好青年カテゴリなの?

私の中の近年の好青年カテゴリはベネさんとトムヒがぶっちぎりすぎるのもあるけど

マカヴォイさんは私的にはずっと不穏な男カテゴリなので

違和感のなさすぎる配役だったんだけど…。

マカヴォイさんはちょっとアブない不安定な雰囲気があると思うのよね。

それゆえに好青年の役が意外に映えるし、

ベネさんやトムヒは基本ノーブルな好青年な雰囲気があるから、

それゆえにちょっと不安定な役が映えるんだと思うっていうのが私見。

というわけでですね、この映画では、

好青年とヤバい人の境界を行き来していたマカヴォイさんですが、

私的に違和感なさすぎて(役柄がマッチしてるともいえる)、結果、

安定のフェロモン王、ヴァンサン・カッセル先輩にがっつり持って行かれました。

フランス男め…!離婚しちゃったけどこの人とモニカ・ベルッチのカップルとか

直に見たら呼吸が止まりそうだもんな。溢れ出るフェロモンで。


お話もよく出来ていて面白いです。

思ったより記憶がどうのっていう話じゃなかったけど。

(私脳科学好きなので…話はどちらかというと心理学よりだった。)

ロザリオ・ドーソンも良かった。

最後まで真意がわからない感じを上手くこなしてました。





●リトルミスサンシャイン



何故か今頃これを見る私…。

いや、これはキャラクターおよび役者のみなさまの勝利。

たいへん心がほっこりします。

ほっこりしますけど、ちゃんとがっつり毒があって素敵。

まあ、あれだね、最後ドン引きしまくるミスコンのステージで踊りまくる一家がもう…

人生はままならないけど、自分は自分を信じてやってくしかないよね…

そんでまあ、味方がいたらもうそれで上出来なんでないの…

っていうのを全く言葉にせず表現したアレで清々しい気持ちになりますよ。


某試写で最近成長したオリーヴちゃんを見ましたが

小デブちゃんの面影なく美少女に成長してましたよ。

あ、あとお兄ちゃんが素敵。……私の好みのわかりやすさよ!





●エリジウム



冷静に考えると坊主じゃないマット・デイモンみたことないな…。とか

悪役のおっさん(シャルート・コプリー)訛りすぎてて何いってんのかわかんねぇぇ!とか

三つ編み系男子(写真左)かわいいぃぃぃ!とか

いろいろありますが、監督のブレなさはよくわかった。

話は賛否両論あるでしょうが、やたらめったら埃っぽい画面とか

安っぽーい感じの汚いガジェット類とか、残酷なシーンをロングショットとか

そういうブレなさ。あ、監督は『第9地区』の人です。

悪役のおっさんは、『第9地区』の主役のヤーな感じの役人の人です。

あれとくらべると、ものすごく戦闘力が上がっています。

あ、あと微妙な後味の悪さね。それもブレないね。嫌いじゃないけど。

私的には『第9地区』のほうが面白いと思いますが、

基本的にご自分のフェティッシュなこだわりが

わかりやすくブレないタイプの監督なので応援していますよ!





●クロニクル



予備知識無しでいったら、アレだ、みてないけど

ブレアウィッチプロジェクト方式っての?あのパターンのカメラだった。自撮り系。

前半の「本当に高校生ってバカだな!」の微笑ましい感(?)と

後半のあれよあれよ感の乖離すげえ。

アンドリュー君のメンタルの豆腐っぷりすげえ。

思ってた感じとだいぶ違う映画だったよ!

キャリーみたいな。暴走する青春系だった。

アンドリューくん演じてるデハーンくん(実年齢26歳!)が

若き頃のディカプリオぽくて人気があるようですが、

私的には好みでないので今のところスルーである。





●ブーリン家の姉妹



もうな!ほんとにな!女は子供生む機械じゃねえぞ!てめえ!このやろう!

っていう気持ちが波のように終止うちよせる映画。

とはいえ、それは今の時代だから思うことなので、

当時を思えばしょうがないんですけど。

あと、ヘンリー8世は政治的には全く愚王ではなかったと思いますが、

まあ、女関係に焦点当てられちゃったこの映画ではヒドい。

ぶっちゃけた感想としてはただの性欲に振り回されるバカである。

女捨てるの早過ぎだろ!とかね…いろいろ。


あ、素晴らしかったのはね、衣装ね。

素晴らしい衣装をスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマンが着るっていうので

女の人は結構楽しめそうな気はする。

どうしても画像がでてこなかったんだけど、

終盤の王にアン(ナタリー)の命乞いをするときの

メアリー(スカーレット)のドレスがすごくかわいい。襟元の刺繍!


あと見どころとしては、ベネさん出てます。

ほんとにこの人ちょこちょこいろんなところに出てんな!

それから二人の弟の役で、

『アップサイドダウン』の主役やってたジム・スタージェス出てます。

実際かわいそうな人生だったぽいジョージ・ブーリン。

なまじかわいいだけに、すごく可哀想だった。男なのに。