12月 8 2014

映画耽溺(18)

かれこれ映画耽溺シリーズが2年近く続いておりますが、

タイトルがそのままで連番とかSEO的にどうなの?

なーんて思ったりもしてはいますが、元々は備忘録だし、

もういいや(鼻ホジ)と思っていつも終了です。


寒くなってきましたね!そして年末ですので、

そろそろ今年のベスト10もやりたいんですけど、

まだホビットの完結編が待ってますからね!

つーわけで、今回も面白かった順ー!


●インターステラー



見ているようであんまり見ていないクリストファー・ノーラン。

インセプションはあんまりでもないけどダークナイトは好きです。

まあでも全体的には個人的には苦手…っていうか味がよくわかんない監督なんです。

ユーモアのセンスがあんまりないしな。あと長い。そしてこれも、長いよー!

なんだけど、これは面白かったー。

世間的なプレビューだと父と娘の絆が〜とか言っておりますし、

まあそれはそれで良いのだけれど、これ、結構ガッツリと正統的なSFなのでね。

(2001年宇宙の旅のノーラン的な焼き直しっていわれてるっぽい)

宇宙・次元クラスタ、ハードSFクラスタはもちろん、

理論で謎を攻めるの大好きタイプ(理解できるかはまた別だ!)とか

あとね、あとね、無機物・AI・ロボ萌えの方は大好きじゃなかろうか。

というわけで多々ある色んな側面の疑問と批評はすっ飛ばして、

ワタクシ、あえてロボ萌えを語りますが、TARSっていう歩く箱がでてきます。

仲間にCASEとKIPPっていう子も出てきます。

箱のくせに動きは超可愛い上に、ちゃんと個性もあります。

カワイイ。欲しい。

実物モックが90kgっていうから実装されたらもっと重そうだけど

ときにちょこちょこと重々しく、ときに爆笑ものの軽やかな動き。

カワイイ。欲しい。

父子もいいけど、主人公(マコノヒー)と箱との絆もいいよ!

あと、マコノヒーとアン・ハサウェイって、その組み合せ濃いよ。(褒めてる)

こんな濃くて暑苦しい宇宙船嫌である。





●天才スピヴェット



なんだかんだ言ってもティム・バートンより、ウェス・アンダーソンより、

実は私、ジャン=ピエール・ジュネのつくる絵が好きなんですねー。

さらに欲を言えば、マルク・キャロとのコンビが大好きなんだけど、

(よりグロテスクになるんで…)仲直りしないかなー。って女々しく思ってる。

この映画は私にしては珍しく3Dオススメです。

あーそういう3Dの使い方あるんだね。っていう、飛び出す絵本的世界。

あとなにはともあれ、スピヴェット君が可愛すぎまする…。

可愛すぎるサイズ感と、可愛すぎるお顔。

多分これ、ロードムービーだと思います。

子供のロードムービー、なにそれ鉄板。

あと老人のロードムービーも割と鉄板ですけどね。


で、ジュネといえばドミニク・ピノンの変な顔が見どころなんですけど、

なんかねー、今回すっごく消化不良。

いる?それ?みたいな役だった上に、あんまり変な顔じゃないのー!

そこはね、すっごく不満。



●6才のボクが大人になるまで



6歳の男の子が大人になるまでの映画(真顔)。

それが映画として…じゃないな、役者としてどうなのか?というのはあるけど

特筆すべきは本当に一人の男の子が6歳から、18歳か?になるまでの間に

時を一緒に経ながら撮っていってるのね。

もちろん父役のイーサン・ホークも母役のパトリシア・アークエットも。

でね、この映画がすごいと思うのは、

本当の彼の時間と役の彼の時間が平行に流れていることで、

本当の彼と役の彼との境界がときおり見えなくなることではなかろうか。

本当のその歳なりの、なんだろ、ゆらぎ?成長のゆれ?不安定さ?みたいのが

役のものなのか、本当のものなのか判断できない。お姉さんもだね。

判断できないので別にこれといった事件は起こらないんだけど、

(まあ、それなりに色々あるけど日常の枠は出ない)

なんか見入ってしまうのね。そういう変な映画。

面白かったです。興味深かったというか。

毎度ですが、こちらのブログがその感覚を上手く書いてくれています。

6才のボクが、大人になるまで。/未来なんて、わからなかったよね


話の感想としては、個人的にお父さんとお母さんが

庭で喧嘩してるのを姉弟で見てるところで泣きすぎた、ワロタ。

あと継父の家の残されたほうの姉弟が気になりすぎる。

この話は人によってぐっとくる所とか全然違う気がする。

どこで一瞬、この家族に感情移入するかが、個人的経験と無関係じゃなさそうだからね。

あとねー、アメリカに根深くマッチョ主義は根付いているし、

それってホント大変だよな…色々な…って思ったよ。



●ドラキュラZERO



わたくし、基本的に吸血鬼もの、魔女ものは見るって決めてるんでっ。

というわけで、ホビットの不憫なお父さんバルド役で最近有名なってきた

ルーク・エヴァンス主演の実在の人物串刺し公ヴラド(ドラキュラのモデルの一人)のお話。

行ったことないんだけどさ、ルーマニアってなんか憧れの土地である。

この鎧とかちょっと中国っぽいよね。すこし東の文化と交流があるのかしらー。

オスマン帝国と闘うため(この辺は史実と一致)に吸血鬼になるっつー話なんだけど、

まああれだね、ルクエバの素敵ボディと吸血鬼ものならではの外連味を味わう映画ですね。

最後ちょっと、現代が出てくるの、良かった。



●100歳の華麗なる冒険



こちらはじいさんのロードムービー兼回顧録。

主人公のじいさんが、非常に特異的な性格だと思います。

ありのままに。である。エルサもびっくり。

なんかもう、全然悩まない。能天気っていうのとは違うんだけど、

なんだろ、世界のこととか、考えないし、

自分の身の回りのことも不幸も試練もあるんだけど別に悩まないのね。

あるがままなの。憎めないといえば憎めない。

バカ…とも違うんだけど、まあ一種のバカか…。

ただ生きてるだけといえば生きてるだけである。

というわけで、すごく素っ頓狂な話なんだけど、すごく淡々と進み、

ばんばん人は死ぬし、爆発するし大騒ぎ…っぽい話なのに

全然大騒ぎじゃないっていう、変な映画でした。

スウェーデンの小説が原作ですが北欧っぽく…もない。多分。



●スガラムルディの魔女



これすげえB級の香りがする!と思って行ったら

寸分の狂いのないB級映画だった。清々しい。

とはいえ、B級で120分は長かったわ…。

これ90分くらいでさくっとの方が良くないかな?

なにしろ、オープニング最高である。

古今東西の魔女(?)の絵や写真がでてくるんだけど、

エリザベス女王とかマリリンモンローとかはいってるよ。大丈夫かw

で、オープニングからー、そうだな、ババアとバーで遭遇するくらいまでは面白い。

あとはね、ちょっとダレるね。話もだいたいヒネリがないので。

あと個人的にエバちゃんの役の女優さんが好みである。

わたしはこういう、男受けしなさそうな女(画像参照)が好きだ。

というわけでエバちゃんには徹底的に魔女をやってほしくもあった。(微ネタバレ)







5月 2 2012

「ダークナイト」と「マイティ・ソー」をみたよ

GWの中日にこんにちは。思ったとおりあまり忙しくないです。

休みが明けたらどわどわとあれこれが動き出すのだとわかっていても

準備にもあまり熱が入りません。雨だし。


ここのところ怒濤のように映画を見ているのは、

TSUTAYAの旧作が100円になったせいです。ウマー。

というわけで今日はアメコミヒーローつながりで2本。


ダークナイト

ティム・バートンからクリストファー・ノーランにバトンタッチしたら、

タイトルから「バットマン」が消えたよ。

おかげでしばらく、バットマンだって気づかなかったよシリーズ(長)の中でも

ヒース・レジャーの急逝もあって、評価の高い2作目。

もうすぐ「ダークナイト・ライジング」も公開になりますしね。

あ、以下えげつなくネタバレですからね!


Xメンのレビューの時にも似たようなことを書いた気がしますが、

私はヒーローは苦悩してなんぼ派

(特にアメコミはな!アメリカはもうすこし苦悩しろ!おっと、話がそれた!)なので、

バットマンはその辺が評価されているのかなあと見ていて思いました。

ダークナイトがダークヒーロー的な何かを示しているように、

バットマンは非合法な影のヒーロー。「影の」ヒーローが「光の」ために働く。

光と影が表裏一体でしか存在できない、そういう事態に気づいて苦悩する。

光が強いほど闇は濃いんだぜ!ていうか一周回って一緒だ!つまり俺とお前は一緒だ!的な感じで

ジョーカーがウゼエ感じで絡んできて暴れるし、

まあでもそうなんだよねー、そうなんだけどさー、てか、それ言い出したらなんかもう、限界じゃね?

引退しちゃおっかなーぼくちん。ていう気持ちになったりする。

のに、あとを託そうと思った光の象徴たる熱血正義検事は

表裏一体を証明するかのようにダークサイドに落ちちゃうし、

(てか、ジョーカーに落とされるんだけど)

(パルパティーンにダークサイドに落とされるアナキンみたい)

(熱血で純粋ってなんでこうころりとダークサイドに落ちるのか)

(まるでオセロがひっくり返されるように、転がるように、まさに表裏一体)

バットマンも大変だな!っていう映画。


ティム・バートンの描く退廃的なゴッサムシティとはだいぶ違って、

こちらのゴッサムシティは非常に現実的なので、ましてジョーカーがひときわ浮いてる。

ジョーカーと言えば名優ジャック・ニコルソン先生がすごいのをやったので、

たしかに後釜は大変だろうねと思ったけど、これはたしかにヒース・レジャー、スゴイ。

看護婦姿なんてもう、アッパレですよ。なんだあのフリーキーな生き物。

しゃべる時になんかね、くちゃくちゃしてんの。唇とかなめるし。

いやーな感じよ。でなんかもうぐちゃぐちゃのメイクのためほぼ顔がわからないけど、

これがあの「ブロークバックマウンテン」の物悲しいおっさんか!と思うと、

もう佇まいからして違いすぎて、役者はすごいねえと素直に感心する。


あ、あと、眼鏡のゲイリー・オールドマンがおいしすぎて悶えた。


私はもう最初から歪みに歪めてくるティム・バートンワールドを

わりと偏愛しているので評価があまり公正ではないけれど、

クリストファー・ノーランはきわめて現実的なところを

少し歪ませることで違和感を与えるっていうのが上手いのだろうね。


次。

マイティ・ソー

こちらのヒーローは若干苦悩が少ないけどw、意外に画面で見るとソーがいい男だった。

あとなぜ浅野忠信かはわからないけど、スリーソルジャーズかわいい。

勇敢に戦うことこそ誉れっていうのは、ノルドの戦士の神話のままなのかな。


ていうかマーベルなのに、題材がノルドの神話だよ…。大丈夫なの、これ…。

コミック知らないけど、もうがっちり話のある登場人物ってやりにくくはないのかしら。

それで、これまたファンタジーマニアにはおなじみの、

(こっからちょっとマニアの滾る話っぽいのでよくわかんない人はWikipedia先生に聞いてね!)

オーディンとかミョルニルとかアスガルドとかヘイムダルとか

ヴァルハラ(でてこない)とかエインヘリヤル(でてこない)とか

スレイブニル(でてこない?)とかラグナロク(でてこない)とか、なにそれ漲る!

という名称がふんだんに出てくる上に主人公はトールことソーである。

んでロキがなんだか知らないけどトールの兄弟だよ!

裏切る…よねと思って見てたら、やっぱり裏切ったけど!漲る!


ていうかなんかもう、この流れだと全編ロキが可哀想でならないわけだが。

お父様に愛されたかっただけなのに!兄貴め!憎し!みたいな感じになっていて、

最後あれ、え?まさか、終わりじゃないよね?みたいな…。

あれでもう死んでたらちょっと、(神話の)ロキ好きとしては怒っていいところだな…ていう。


(ちなみに今コミック版のマイティ・ソーのWikiみてたら、ロキのところに

「最近女体化した」ってさりげなく書いてあって( д) ゚ ゚てなった。。

そりゃたしかに女性の形を取ることもある神様だからそういうこともあろうが。。)


あと、ナタリー・ポートマンでてるんですね。安定の美しさ。

よく見りゃオーディンはアンソニー・ホプキンスだし、無駄に豪華である。


まあ、映画のレビューか神話のレビューかわからなくなったけど

そういう事情でメインストリームのある物語を派生させているタイプのヒーローものだから

たぶん欠けている部分が多くて、これだけで一つのものとしての評価は難しいけど、

能天気に楽しめる感じではあります。2作目ありきなのでしょうね。

2作目でロキが女になってたらそれはそれで萌える。(というどうしようもない締め)


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8月 19 2010

インセプションみてきました

暑い日が続きます。こんだけ暑いとなんかもう逆にバテないという謎。

つかの間の夏休みにみてきました。「インセプション」


そもそもね!「トイストーリー3」をね!見ようと思ったのにね、

一番近い新宿のバルト9めが、Dolby3D方式やめてやがんの!

全スクリーンX-PanD方式になったみたいなの!

方式とかどうでもいいよと思うかもしれませんがね!

X-PanDは眼鏡が重いんだよ!あと暗いし!

あれなら2Dでいい→DVDでよくね?のコンボで萎えたので

なぜか「インセプション」見たといういきさつ。


inception

この映画、すごい面白いって結構聞くのです。

結論から言うと、そこまででもなかった。(え)

面白いし、退屈は別にしないけど。


たぶん、夢がね、夢っぽくないところがなんか普通の

ちょっとしたアクション映画みたいに見えたんだろうな。

「夢の世界かー!ワクワク!」とか思っていったら期待はずれだった的な。

夢的な映像じゃない。一切。筋道が通っているし、

なんだろ、あまり奇想天外な展開もないし。

敵?とかも潜在的な防衛意識の投影なら、何つーかそんな律儀に

人間型で、物理的な法則を守った攻めとかしてこなくても

良さそうなものだと思うんだが、どうなんだろうなー。


夢の階層構造とか、虚無の設定とか、チームの考え方とか悪くないんだけど、

一緒に見に行った相方さんが「惜しい」映画だっていったけどそんな感じ。

まあ、ジャンルは違うけど、マトリックスとかのほうが夢っぽい。あれは仮想現実だけど。

あとは個人的には夢的映像っていうと

ジュネ&キャロのロストチルドレンの映像とかのイメージが強いっていうのもあるし。

うん、私が期待していたんとはちょっと違うという意味では、惜しい感じだったね。


あと思ったよりケン・ワタナベが出ずっぱりでびっくりしたわ。

すっかりハリウッド俳優だね!南果歩も鼻が高いよね!(関係ないw)

そして渡辺謙には言及するのに、一切レオ様に触れないと言う。

ギルバートグレイプのときには可愛かったけどね、私彼には興味がないみたいw