9月 16 2013

映画耽溺(2)

8月中頃までアホみたいに働いていたせいでカラッカラになった何かに

水を与えるごとく続く映画月間。

あいかわらず見るものは勘で決めます。



面白かった順に。

(しかし今年の夏のベストはなにげに

スタートレックだったような気がしてきた今日この頃)



●私を離さないで



そもそも私はこの原作の、カズオイシグロ氏の小説がとても好きで、

映画化されたのは知っていたけど見逃していたのをDVDで今頃見たっていう。

いや、よかった。期待してたよりよかった。

なにがいいって、小説のトーンイメージと映像のトーンイメージがあってる。

簡素で、儚くて(儚い‥はちょっと違う気もするけど)色あせて美しいっていう。

光がきれいなんだけど、全然華やかじゃないんだよね。。

これ、ストーリー自体はスーパーSF的なんだけど、

舞台がスーパーイギリスの田舎(近代)っていうそこがなんともいいと思います。

ストーリーもまあ、いろいろ問題を提起する話ではあるんだろうけど、

小説にせよ、映画にせよ、それを語るのはなんだか野暮な気がしてしまう。

見りゃわかる(感じる)よ、言いたいことはねっていうストーリーです。

トミーがすごくよかった。なんだか、不安定で、優しくて。体つきとか。

どこかで見たことあるね?って思ってたら「ソーシャルネットワーク」に出ていた子か!






●(500)日のサマー



私が最近よく拝見しているブログ様があるんですが

そこに、こちらの映画のものすごく面白いレビューがあって

もうそれ見てもらえたら、だいたいわかるっていうあれなんだけど。

ああいう(結末&トーンの)話だとは思っていなかったけど

ほんとマジでサマーはどうかと思うよね。

思うけど、ああ、そんなトーンの恋、あるある‥みたいな共感もちょっと否めない

下手に悪口言うとブーメランみたいに我に返ってくるタイプの女ですよ、あれ。

あと、ジョセフ君の意外なふつーっぽさや冴えないかわゆい感じにごまかされますが、

トムも大概だと思いますよ。まあでも‥あるよね、うん。ていう。こっちもか!

あとですね、Dr.スペンサーリードやら、エージェントコールソンやら、(以上役名)

クロエ・モリッツちゃんやら、なんか見たことある人が結構出てきて笑った。





●マジック・マイク



一部で異様に盛り上がる男性ストリップもの。

チャニング・テイタムくんに特に興味のない私ですが、

アダム役の子が可愛かったのでよかった。予想通りの堕ちっぷりとともに。

しかしアメリカンはあれか、挿入さえしなきゃ人前でなんでもありか!

と思わずおばはんのようなことを思ってしまうアクロバティックストリップ。

もちろんお客も参加。すげえ。やはりあいつらには勝てる気がしない。

お話はわりとまあスタンダードなんだけど、

え、そこで?そこで終わるの?的なところで終わったよ!






●戦火の馬



非常にスピルバーグらしい話。

わたしはちょっと異常に馬が好き(ていうか騎乗動物が好き)なので

どうしても馬がすばらしいって言うだけで

妙にテンションがあがっちゃうんだけど、

まあ、非常にスピルバーグの戦争映画らしい

(いい意味でも悪い意味でも)映画じゃないでしょうか。

風景とも相まって馬がすばらしいよ。

トップソーンとかマジすてき。(毛色は黒が好きです)

馬はほんとにすばらしい動物なんだよ、賢くて、優しくて、強く、弱い。

とか映画関係ない語りに入りそうなので自重。

あ、ベネさんでてた!見るまで知らなかったけど!

あとトムヒね。トムヒ。

この二人の完璧な横顔を部屋に置いて愛でたい。



●オンザロード

この映画の題材となっているビートジェネレーション自体が

私は世代的には外れてて、親なんかがガッツリその影響下にあったので

知ってはいるんだけどねっていう、やっぱりスタンスなので、

まあ、わかるけど、そんなに共感はできないっていうあれこれではある。

しかし、人生は旅であるっていうのが高校の時の先生の口癖で、

私もそれはその通りだと思うし、

そして映画(物語)っていうのは旅を描くものだと思うので

ロードムービーっていうだけで面白く見れてしまう面もあり。

役者さんがいいです。ヒロインのビッチがあれだ、

「トワイライト」の子なんだけど、すごくいい。

この子、こういうなんかこう、インディー系の映画の方がいいんじゃないかね?

あとカーロっていう詩人の男の子が出てくるんだけど、

この子が眼鏡外したときにあまりに美しくてびっくらこいたよ。

ゲイだけどね!

もう最近、素敵って思う男の子はリアルだろうがフィクションだろうが

60%くらいの確率でゲイだよ!なんだよ!もう!

もう驚かないもんね。

最近じゃ、ゲイですっていわれても眉一つ動かさないもんね。俺。



●アップサイドダウン 重力の恋人



映像きれい。主役の男の子可愛い。設定も面白い。

だけどな!いくらなんでももう少しいろいろちゃんと伝えてくれないと

いくらなんでも共感どころじゃなくいろんな?が飛び交ってそわそわするよ!

っていう映画でした。

物語は設定を考えついた時点で勝ちっていうことが往々にしてあるけど

あかん、だからこそちゃんと伝えないと

いくらラブストーリーでもそこから派生する生き物のドラマとして共感できへん!

っていう映画でした。おしい。


4月 6 2012

あれやらこれやら

春めいてまいりました。

お仕事もちょっと落ち着いたり落ち着かなかったり(どっち)したので

合間合間のあれこれを備忘録的に。




最近読んだものでおもろかったもの。

おどろきの節操のなさのにじみ出るラインナップ。


○『パレード』 吉田修一

あー、『悪人』のひとかあ。とか読み始めて気づいたわけですが、

このひと、人の悪意書くの上手いよね。

それもなんていうか、恣意的な悪意じゃなくて、どうしようもない哀しい感じの悪意。

日常の中に紛れ込む悪意。悪意…っていうかなんだろ、澱み?かな。

これも舞台になったり映画になったりしていますよ。

映画も舞台もなんか知らんがやけにキャストが豪華ですが、未見。


○『吉原手引草』 松井今朝子

直木賞とってるんだー。へー。

これね、読んだことがあったっぽい。

てことに最後のオチ(オチっていうか…)のへんで気づいた。

健忘症甚だしい。2回目も面白く読めましたよ(おい)

吉原の風俗がよくわかる構成は、興味ある人にはたまらないねー。

これはでもあまりどぎつかったり、おどろおどろしかったりしない淡々とした吉原。


○『3月のライオン』7巻 羽海野チカ

そしておもむろに漫画。

将棋とかね、知らないんですよ。ルール。

したがって面白いと噂の『月下の棋士』も未読だし、ずっと食わず嫌いしてたんだけど。

うっかり読んでみたらすごいおもしろかったせいで、新刊心待ちにしてた『3月のライオン』。

羽海野先生はさすがよのぅ。キャラがイキイキしてて将棋知らなくても全然読めるー。

新刊は私の好きな二階堂が病欠(?)であんまでてこなかったのが残念だけど、

話の流れ上仕方ないね。

今回一番かっこ良かったのはひなたちゃんの新しい担任の先生。

この漫画はおっさん〜じいさんがかっこええですな。


あとはー、『ヴィンランドサーガ』が農民生活に不穏な雲行きがあったり、

『姉の結婚』の痛々しさのあれこれに苦しくなったりしてました。

文章おかしい。まあいいや。

漫画はあいかわらず大スキ。




なぜか今になってちゃんと見た、『ゴッドファーザー3部作』

あんだけアホみたいに映画を見ていた大学の時に、

「マフィア映画とかww」とか言って食わず嫌いしてしていた自分を殴りたい。

『男たちの挽歌』とか面白かっただろーがっ。


Part1とか私が生まれるより前の映画なんだけど、面白かったわ!

全然古い感じがしない。いや、古いんだけど、物語が色あせてないのかな。

3部作全部見ましたが、1と2がやっぱり面白いね。

マーロン・ブランド/アル・パチーノ/ロバート・デ・ニーロですよ。。

で、密かによく見ている『クリミナル・マインド』にでてくるおっちゃんが

そこそこのチンピラ役とかやっててビビったっていう。




つぎ、美術関係。

あいもかわらず森美術館の会員なんだけど、

去年はあまりいいのをやらなくてしょんもりしており、久々の森美。

相変わらずの予備知識無しでいってみたら、一番はじめに触手系のかぶり物があって

草間弥生かと思いました。ところがどっこい、この人全然おかしくないね。

ものすごく理性的かつ論理的な考察の結果、

できあがりが草間弥生だったりエヴァンゲリオンなだけだった。

嫌いじゃないです。

で、あいかわらず森美はMAMプロジェクトがおもしろいんだよねー。

今回の映像作品(ホー・ツーニェン)もおもしろかったよ。。


その他はルドン。幻想系の絵が好き。蜘蛛とか。目玉とか。

ジャクソン・ポロックもさっさと行かないと、終わってしまいますね。



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